NUMBER45 時代ごとに好まれる色は変わってきたの?NUMBER45 時代ごとに好まれる色は変わってきたの?

平安時代からずっと「白い肌」が人気

「品の高さを示す白」から
「自然美の白」へ

時代背景により化粧文化も変化していますし、その時々のトレンドはありますが、今も昔も基本的には「白い肌」が好まれています。大和言葉で言う「白い」は単に色としての白さを示すだけでなく、「美しく完璧な」という意味が含まれています。
白粉(おしろい)を使った化粧の始まりは、6世紀後半から。中国から仏教とともに白粉化粧が伝わったことがきっかけでした。白粉を使った白い肌は平安時代の貴族のステータスとなり、その後も、貴族や武家階級の女性たちの心得、身分を示すものとして定着しました。江戸時代には白粉が庶民にも普及。明治時代になると、西洋的美意識の影響を受け、素肌の色に近い“白粉”が登場します。やがて、素肌の色を活かした白い肌が主流になっていきます。

マナー、そして自己表現も
やっぱり「白が憧れ」

その後、白い肌をつくる化粧は日本的な伝統化粧から、西洋的なメイクへと移行していきます。大正時代には“職業婦人”のように女性の社会進出も始まり、化粧は社会に出るための“マナー”となります。昭和初期には、個性を活かす“自己表現”としても化粧を楽しむようになっていきます。1950年代にはカラー映画の影響でピンク色の肌が流行し、60年代には褐色肌が脚光を浴びるものの、80年代には紫外線による肌のダメージの認識が広がり、日焼け予防が一般的となります。90年代には美白ブームも起こり、白い肌への希求は高まります。化粧の歴史を振り返ると、時代ごとの流行はありますが、やはり過去も現在も「白い肌」が好まれている傾向があります。

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この記事の回答者

高野 ルリ子

株式会社資生堂
企業文化部
文化資産
マネジメントグループ
マネージャー
博士(学術)

回答者プロフィール

1992年資生堂入社。
千葉大学大学院自然科学研究科博士後期課程情報科学専攻・学術博士。
「化粧の心理、生理的効用、顔の認知や魅力に関する研究」を主軸とし、
心理学的視点に基づくメーキャップテクニックの解釈や理論化に長年従事。
近年は化粧文化研究に注力。日本顔学会会員、理事。日本心理学会、日本感性工学会会員。
2014年4月より筑波大学グローバル教育院客員准教授。

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